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フリードリヒ・シュレーダー・ゾンネンシュターン
(Friedrich Schroder-Sonnenstern)
ティルシット(リトアニア) 1892年生 ― ベルリン(独) 1982年没
おんどりのいる形而上学

 1920年代ベルリンを跳梁したインフレ聖者にして色鉛筆の預言者。ゾンネンシュターンとはゾンネ(太陽)とシュターン(星)。英語で言えばサンスター。
 絵もさることながら画題がまたいい。「道徳的女軽業師」「真理探究者カップルの婚礼」「おんどりのいる形而上学」「月の精の航路を行く国家の魔法船」「神秘的――喜劇的な激烈なる求愛」「ウサギの神ムゼファックス」「ププリープキュンマー博士、あらゆる精神的偏狭芸術、愚鈍芸術、蒙昧芸術の月の大批評家」など詩性を感じさせる。ヨーロッパでは「ウィーン・リアリティ派」などに影響を及ぼしている。日本でも再評価が望まれる画家の一人だ。

……と思っていたら、2006年10月に河出書房新社から『F.S-ゾンネンシュターン 〔骰子の7の目 シュルレアリスムと画家叢書〕』が発売された。買っておいて決して損はない。


【年譜】
1892年
1906年
1908年
1910年
   
1915年
1917年
1918年
     
1920年
    
1930年
   
1937年
1944年
1949年
   
    
    
1952年
1959年
1964年
1972年
1973年
    

    
  9月11日に誕生。父親は郵便配達夫。兄弟姉妹は彼を含め13人。
 女の子の衣服に小便をかけるなど数々なファナティックな悪戯により感化院に送られる。
 庭師のもとで奉公するが辛くて逃亡し、再び感化院送り。
 放浪生活開始。ドサ回りのサーカスの厩番として雇われ、コメディアンとしてキャバレーに出演するまでになる。やがて一文無しになり、農場の仕事に就く。同性愛者の作男の悪意により?窃盗容疑で逮捕される。
 兵役につくが、自ら精神錯乱者だと抗議。診断の結果認められ、除隊。
 ロシア=リトアニア国境付近で郵便配達夫として働くが、密売のかどで逮捕され精神病院に入院。
 精神病院を脱走するが2週間後に捕まる。一時は不治の狂人として終身拘禁を言い渡されるが、革命の末、退院を命じられる。
 ベルリンに事務所を開き、占星術師兼磁気治療師となる。さらに患者たちの要望でミュンヘンに心霊論者のサークルを設立、某男爵夫人の情夫となる。
 薬剤法違反、詐欺的医療行為、医薬品偽造の罪で6週間の禁固刑を宣告される。結局精神病院に強制入院、そこである「狂人=画家」と知り合い、彼の勧めでデッサンをはじめる。
 民生保護の対象となる。戦時中は空軍兵器庫の監督になるが、任務不適格でたちまち解任。
 義妹ととも廃墟の地下室で生活を送る。
 両脚が水腫で脹れあがり、動けなくなったことからデッサンを再開する。クビチェック教授と知り合い、彼の紹介でベルリンのシュプリンガー画廊の援助を受ける。
  以上、自叙年譜[1959年版]を参照。
  (1974年9月の西武百貨店主催による『ゾンネンシュターン展』図録』に収録)
 シュプリンガー画廊で初の個展。以後ドイツ、スイス、フランス各地の画廊で個展。
 ハンス・ベルメールの紹介により、「シュルレアリスム国際展」に作品展示。
 東京の青木画廊で個展。
 アルフレット・バーダーがゾンネンシュターンについて書いた論文『狂人か芸術家か』が公刊される。
 ケストナー協会による「大回顧展」

  参考文献: 東京新聞主催ゾンネンシュターン展(1974年9月13日―25日@西武百貨店)カタログ。

 作品はこちらで一部見ることができます。 
  ゾンネンシュターンについてもっと知りたい方は以下の本をお読みください。

 『愚者の機械学』種村季弘

  『幻想の彼方へ』 澁澤龍彦

 『ゾンネンシュターン』 小柳玲子 (編集)  岩崎美術社 (1991/07)

 『夜想19 幻想の扉』所収の瀧口修造の文、及びゾンネンシュターン「蛾」

 『 "Geisteskranker oder Kuenstler? Der Fall Friedrich Schroeder- Sonnenstern"アルフレット・バーダー




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