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1900年代初頭のドイツにおけるワンダーフォーゲルを母胎とした自由青年運動の理論的指導者の一人。「原初への回帰」を合言葉に、ミュンヘンのシュヴァービングでアルフレート・シューラーとともに宇宙論サークル(コスミック・ルント)を興した。
クラーゲスはバッハオーフェンの母権論を引き継ぎ、男性神エホバと異教的かつ原初的な女性神の対立の図式を際立たせたうえ、原初に遡って現代の行き過ぎた技術文明を批判し、自然への回帰を標榜した。そこでは物質主義、還元主義、実証主義に対抗する瞑想、観照、体験が重んじられた。反父性神、反物質主義の態度は反ユダヤ主義に結びついた。(これに対して当初シューラーの影響下にあったヒトラーらは宇宙論派から反ユダヤ主義を引き継ぎながら、母権制神話とは対照的に北方神話と男子結社を基点とする考え方へと転向する。ローゼンベルクは母権制に結びつく西南アジア的な種族原理(フェニキアのアスタルテやピタゴラス主義など)を悪魔的なものとしてとらえ、オリンポス神話の勝利とは北方的なアポロによる光の原理の勝利であるとみなした。)
その後ミュンヘン大学で性格心理学についてのセミナー及びセンターを創設。このセンターは1919年チューリッヒの近郊キルヘベルグに移転。クラーゲはそこで残りの生涯を生気論派の心理学における主要なスポンサーとして過ごす。彼にとって最も重要な目的は生来の生物形態をベースとした人間の性格の生物学的な理論を確立することで、このために彼はそれまで無視されていた擬似科学、特に筆跡学(筆相学)を援用した。後期ロマン主義とニーチェの呪縛のもと、生命と精神に関して不合理主義に偏向した独自のロマンチックな理論を確立し、ラジカルかつ原始的な生気論とアンチスピリチュアリズムを提唱して、プリンツホルンやユング、レオ・フロベニアスやオズワルト・シュペングラーといった生気論者に影響を与えた。 彼の思想には生命と精霊、自然な生命力と不自然な精霊(精気)の間に頻繁に起こる戦いがあるとともに、不合理で無意識の生命力を人間の脆弱な知性と意志を越えた知恵の先触れとして称える傾向がある。
参考文献:『神話と科学―ヨーロッパ知識社会
世紀末〜20世紀』 上山安敏(著)
"ARTISTRY OF THE
MENTALLY ILL 1995 REPRINT"の英訳に向けてのIntroductionより
クラーゲスの邦訳書は以下のとおり。
『宇宙生成的エロース』
ルートヴィッヒ クラーゲス (著), 田島 正行 (翻訳)
『リズムの本質』 クラーゲス(著),
杉浦 実 (訳)
『性格学の基礎づけのために』 L.クラーゲス
(著), 千谷 七郎, 柴田 収一(訳)
『性格学の基礎』 L.クラーゲス
(著), 赤田 豊治
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