オイゲン・ブロイラー (Eugen Bleuler)
1857年生 ― 1939年没

 1857年、チューリッヒ近郊の農家に生まれる。1897年から1927年までチューリッヒ大学の精神医学科(ブルクヘルツリ精神病院)で教授をつとめる。クレッペリンの研究を継承しながらも、連合心理学やフロイトの力動説など新しい見解を早くから導入した。
 それまでクレッペリンが「早発性痴呆」(Dementia Praecox)と呼んでいた症状に対し、「早発」でもなければ「痴呆」でもない、という認識にたち、1911年に代替概念として「ものごとを統合して考える機能の障害」という意味のラテン語であるスキゾフレニア(schizophrenia)を採用した。
(なお、「schizophrenia」は1937年、日本精神神経学会により「精神分裂症」と翻訳され、長い間変更されなかった。しかし1993年に全国精神障害者家族会連合会が「人格を否定するような響きのある呼称を変えてほしい」との意見書を提出。学会はこれを受けて「呼称委員会」を設置して討議した結果、2002年1月の理事会で病名を「統合失調症」に変更することを決めた。)
 ブロイラーは他にも、連合障害、情動障害、自閉など、現代に引きつがれる重要な精神医学的概念を確立した。 また、病院内では、世間の偏見に晒されがちな患者に対する理解者であり続け、常に献身に惜しまなかったという。

邦訳書には『精神医学書』(中央洋書)、『精神分裂病の概念―精神医学論文集』(学樹書院)などがある。

 

  

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